7.黒鉛設備(Tc;CNS)



黒鉛設備に設置されている冷中性子源設備(CNS)は、極冷減速材により熱中性子
を冷却し、冷中性子を発生させる装置である。黒鉛設備内の炉心近傍に回転楕円体状
の冷却減速材槽が挿入されており、CNS操作中にはここに約25Kの液体重水素が
約4リットル貯められる。ここで発生する低エネルギ−中性子を利用するために、冷
中性子用(CN−1,CN−2,CN−3)及び極冷中性子用(VCN)の合計4本
のビ−ム孔が放射状に設けられている。
黒鉛設備には、冷中性子源設備(CNS)及び 圧気輸送管(Tc-Pn)が設置され
ているが、ここではCNS関係のみの実験設備の概要について以下に述べる。
Tc−Pnについては、[17.黒鉛設備 圧気輸送管]を参照されたい。

冷中性子源設備関係実験装置


CN−1[炉室内]
1) 中性子反射率計/スピン干渉計
2) 中性子干渉計/反射率計
.中性子波長8.0+-3%
.角度範囲0〜4
.測定可能反射率10-4〜1
.スピン偏極等可能


CN−2[ニッケル導管:冷中性子導管実験室]
1)広帯域中性子小角散乱装置

.波長分解能 15% (5.5Aに対し)
.検出器 :2基
有感面積 51x51cm 21x21cm2
位置分解能 8mm, 3mm
試料,検出器間距離 1.5〜3m
.測定可能散乱ベクトル範囲
0.001〜0.3A-1 及び 0.01〜1.2A-1


CN−3[ス−パ−ミラ−導管:冷中性子導管実験室]
1)中性子スピンエコ−実験装置
.積分磁場 0.12Tm
.入射中性子波長 5.7A
.ラ−モア回転数 5043回転
.フ−リエ時間 4.14nsec
.スペクトル分解能 159neV
.エネルギ−分解能 1ueV
2)冷中性子ラジオグラフィ−
.冷中性子によるラジオグラフィ−の基礎実験
.ビ−ムサイズ 2wx8Hcm2
.撮影可能サイズ 16x16cm2


VCN[極冷中性子導管及び超冷中性子実験設備:炉室内]
1)超冷中性子実験設備
.超冷中性子発生方式
ス−パ−ミラ−5面鏡羽型中性子
タ−ビンによる連続超冷中性子発生
.発生中性子エネルギ−範囲
約0.1-10ueV
.超冷中性子利用実験
1)中性子ボトル実験
2)UCN飛行時間分析実験
3)UCN検出器試験
4)中性子光学実験等