12.3軸型中性子分光器(B−2)
12−a.構造及び特徴
B−2実験孔に設置されている3軸型中性子分光器である。通常、2軸回折計と
して利用される。
a)モノクロメ−タ部、b)3軸ゴニオメ−タ部が炉室内に設置され、
c)測定制御部は、炉室外に設置されている。
概略を図12−1に示す。
1)
モノクロメ−タの平常時はCu(220)を用いて波長約1Åの単色中性子線を
取り出せるようになっている。この波長分解能は△λ/λ〜0.01またモノクロビ−ム
線束は〜3x105n/cm2/secでビ−ムの断面積は2x2cm2程度である。
2)
ゴニオメ−タは2つに分かれていて、メインゴニオは2θスキャンとωスキャンが可能な
2軸型、エネルギ−解析用ゴニオはθ/2θスキャン型である。メインゴニオ上には、ク
ライオスタット、圧力容器、マグネット等を設置して立体角を調整するための大型クロス
タイプゴニオが乗っている。
3)
測定制御系は炉室外から測定と装置の制御、アフタ−ジョブが行えるよう
コンピュ−タ−オンラインシステムが設置されている。アフタ−ジョブは
オフラインパソコンによる。
12−b.装置使用上の注意
1)
アクセサリとしては、クランプ型高圧セル(〜3GPa、〜10Kまで可能)、超伝導磁石
(縦型5T、1.8Kまで可能)、試料トップローディング型クライオスタット(〜1.6K
まで可能)がある。
2)
試料は単結晶を原則とするが、場合によっては多結晶試料も可能である。非弾性散乱実験は、
ビーム強度の関係で不可能である。