2.実験及び照射申込みの手順と方法



京都大学研究用原子炉(KUR)で実験(炉本体、重水設備、黒鉛設備、実験孔など)

や照射(圧気輸送管、水圧輸送管、傾斜照射孔、長期照射(炉心内)重水熱中性子設備、

黒鉛熱中性子設備など)希望するものは、以下の要領に従って所定の実験または照射の

書類を、所定の日時までに中央管理室まで提出する。

実験や照射申込みは一週間を単位として行う。

医療照射については、別途中央管理室へ問い合わせて下さい。



表1。実験、照射に必要な提出書類一覧


内容 提出書類
(1)実験記録 (2)照射記録 (3)計算書 (4)長期照射 (5)核燃記録
実験(注1)
照射(注2)
実験・照射(注3)
精密制御照射管 (注4)




  1. 提出書類
  2. 締め切り
  3. 書類審査
  4. 実施計画の決定
  5. 実施の報告
  6. 計画の変更
  7. 単純照射
  8. 異常が生じた場合
  9. その他


(注1)重水設備、黒鉛設備、実験孔(B-1,2,3,4,E-1,2,3,4,T-1,2)
などを用いた物理的測定や特定測定などを中心とした実験。
(注2)照射実験設備(圧気輸送管、水圧輸送管、傾斜照射孔)および
付帯の照射設備および照射装置(TC-Pn,D2O照射レ−ル,T1-Pn)などを
もちいた原子炉放射線照射。
(注3)(注1)の実験設備を用いて行う照射。
(*)核燃料物質を用いる場合に必要。核原料物質の場合もこれに準じる。
なお、上記分類は原則である。不明な点は中央管理室に問い合わせる。
 














提出書類の流れ

2−a)提出書類


1.KUR実験記録(実験記録)

一つの実験について一枚週単位で。

2.KUR,KUCA照射使用記録(照射記録)

原則として、一試料ににつき一枚
ただし、同種の試料を同じ週に、同じ設備で照射し
以後の操作も同じものに限り、一枚の用紙に四試料分
記入することができる。

3.誘導放射能計算書(計算書)

放射性となる核種の内、主なものを計算する。不純物に注意。
なお、核燃料物質の場合は、核燃料物質照射試料
誘導放射能計算書になる。

4.原子炉照射記録(長期照射用)

一試料ににつき一枚。長期照射に限り、数週間の一連の
照射でも一枚でよい。

5.核燃料物質記録(核燃記録)

核燃料を用いた実験や照射を行う場合に必要。
なお、各実験設備および照射設備に許可されている
核種、化学形、量、などの条件は、京都大学原子炉実験所、
核燃料物質使用の許可表、および核燃料物質取扱要領で
確認すること。詳細は核燃料物質使用委員会に照合する。
核原料物質の照射についても、核燃料物に準じる。







2−b)締め切り


締め切り日は、半期毎にあらかじめ決められる[研究炉使用計画]
を参照する。原則は、利用週の四週間前の木曜日中である。


2−c)書類審査


各週の申込み締切後、直ちに各設備管理担当者(必要な場合は、原子炉安全委員会等)
によって照射実験の内容を原子炉安全性の立場から検討する。過去の経験から省略
されることもある。


2−d)実施計画の決定


受理されたKUR実験記録、KUR.KUCA照射使用記録あるいは原子炉照射記録
(長期照射用)に基づき照射実施計画を決定し、中央管理室より申請者あてに
その旨連絡される。


2−e)実施の報告


実験終了後、実験者に渡されたKUR実験記録、KUR.KUCA照射使用記録等の
コピ−に実施の時刻、放射線量、試料・カプセルの異常の有無などを記入して
KUR運転主任または当直班員、またはその代理の者の署名を得た後、
中央管理室に返却する。なあ、圧気輸送管等を用いた照射の場合には、関係
所員(実験設備管理部担当者)の署名で代用できる。


2−f)計画の変更


実験および照射計画決定後、照射日時、原子炉出力、照射時間などの変更を
希望する場合は、各設備担当者の承認を得た後、中央管理室(研究炉部計画班、
実施当日の場合は、KUR運転主任も含む)に申し込む。安全性等に問題が
無い場合には、計画の変更が許可されることがある。ただし、安易な変更は
つつしむべきであり、時間を短縮する方向でのみ変更が認められる。
なお、KURの運転の都合上、計画された週に実験や照射ができなかった
場合については、別の週に変更が可能となる。ただし、実験者の都合の場合
の時は、中止の扱いになる。


2−g)単純照射


[単純照射]制度は当実験所共同利用の一環として、下記の条件に合う比較的簡単な
照射を行う。
1)KUR圧気輸送管に限る。
2)照射試料は所内で実験等の操作は行わないで、すべて持ち帰る。輸送は利用者の
責任において行う。
3)KURの他の共同利用等のマシンタイムに余裕のある場合に行う。
4)試料持参および持ち帰りは、放射線業務従事者として所属機関に登録され、
さらに当実験所の保安教育を受講した者が行う。
なお、単純照射の申し込みは、所属機関長から共同利用掛を通じて当実験所の所長
宛に行う。


2−h)異常が生じた場合


g)異常が生じた場合は、その詳細について、原則として書面によって中央管理室
長に報告する。異常に対する処置については中央管理室またはKUR運転主任の
指示に従う。


2−i)その他


1)原子炉起動時の連絡等
実験者は研究炉の起動に先立って実験の準備状況を研究炉制御室に連絡する。また、
異常に高線量率の場所が発見された時は、直ちにKUR制御室および放射線管理
担当者に連絡し指示を受ける。

2)実験.照射の人数
実験および照射は必ず2名以上で行う。

3)クレ−ンの操作
実験準備等で炉室やホットケ−ブ室のクレ−ンを使用する場合には、必ず2名以上で
作業を行う。クレ−ンの操作は、クレ−ン運転免許所有者又は、クレ−ン運転特別教育
を受けた者に限る。

4)所外の共同利用者は、所内連絡者と十分に連絡を取り実験.照射の計画、実施等
を行う。